癒音工房「第12回 音楽を楽しむ会」を終えて
ブロックソリューション㈱代表取締役 宮澤 尚史
癒音工房の「音楽を楽しむ会」は、今年で12回となりました。今年から会場も変わり、昨年までとずいぶん雰囲気が変わったと思います。演奏する子ども達も、お聞きになる保護者の皆さんも、緊張感が違っていたのではないでしょうか。
後ほど奥森がお話しすると思いますが、今年の「音楽を楽しむ会」で昨年までと大きく変わった点は、会場自体の変更と、もう一つあります。それは、11月上旬に子ども達のリハーサルを、本番と同じこの会場で行ったことです。これは我々にとっては予想外の効果がありました。子ども達はリハーサルでの演奏を目標にして、そこまでにどうすべきか、自分で考えて準備をするようになったのです。私はこれが、子供たちが自ら考えて行動する、重要な一歩になってくれたのではないか、と期待しています。
昨年も同じようなお話をしましたが、自分で考えて行動する態度を習得するのは、大人になってからでは遅すぎます。その一方で、私たち大人は子ども達に、つい「あれをやりなさい、これはやっちゃダメです」と言いがちです。自分で考えて行動を起こすきっかけを提供するというのは、なかなか難しいものです。しかし今回、子ども達と保護者の皆さんのおかげで、リハーサルがその契機となりました。
最近の世の中は、つまり大人の仕事の世界は、どんどん即戦力が求められるようになっています。何が求められるか、どうやって自分なりの価値をつくるか、何から手をつけるか、どうやって・いつまでに仕上げるか、自分で考えて答えを出して行くことを要求されています。これは大変厳しいことでありますが、自ら考えて行動を起こせる人にとっては、むしろやりがいのある社会になったのかもしれません。今回の子ども達の演奏が、そういう世の中が求める人材になる小さな一歩になってくれれば、我々にとってこの上ない幸せです。
奥森をはじめとした講師陣は、今年のレッスンで、あれこれやりなさいと言わずに子供たちに考えることを求めてきました。考えるクセをつけ、自分の力量と方向性の見極めるよう、子ども自身に課してきました。これは、教える側としては忍耐力が必要なことです。その忍耐に保護者の皆さんにもお付き合いいただきました。そのおかげをもって、今日このステージに立った子ども達は、そのハードルをクリアしてきました。自分で考え自分で決めて、練習してきたお子さん達をどうか誉めて欲しいと思います。
来年もまた、この会場で「音楽を楽しむ会」を開催します。リハーサルも、会場確保に向けて準備しています。
今後とも、「癒音工房」を皆さんで盛り立てていただきますよう、よろしくお願いします。